2018年10月8日 羽田発パリ行きのエールフランス航空機が
羽田を離陸後、通常ルートの右旋回をせず、都心上空を低空で飛行した
と報道がありました。
共同通信10月11日の記事引用 https://jp.reuters.com/article/idJP2018101101001135
フライトレーダーで見てみると、やはりいつものC滑走路からの離陸ルートからは
逸脱しています。いつもは離陸後すぐに右に旋回するのですが、エールフランス航空機は品川駅近くまで直進して右に旋回していますから、ちょうど皇居の真上を飛行してしまったんですね。
今回の皇居上空まで来てしまったルート
いつものルート
羽田から中部に帰るとき、いつもこのルートが多いんですが、低空時は海の上で景色はあまり楽しくありません。今回もしも乗っていたら、きっと夜景がとても・・・。
あっ、不謹慎な発言失礼しました。
皇居上空付近で高度1,400m程度と低く、さらに離陸なのでエンジンのパワーは高い状態でしょうから相当な音だったと予想され、特に23時過ぎと夜遅い時間だったので東京の方々は驚かれたのではないでしょうか?
我が家の上空も、名古屋空港に着陸するFDA機が高度1,500m程度で飛行していきますが、窓を開けていると、テレビの音が聞こえないくらいの音になります。
着陸時でこれですからね。
離陸時は相当だったかと。
とても大雑把に言うと、飛行機は車のナビと同等の機械で、あらかじめ設定されたナビの指示に従い空の道を飛ぶ場合と、管制官との無線のやり取りで飛ぶ場合があるのですが、今回は
ナビの設定ミス?
手動操縦で、ちょっと操作が遅れちゃった?
管制官との意思疎通がうまく行かなかった?
報道にあるようにテロだったらどうするのか?
とかいろいろ言うつもりはありませんが、今回は、管制官からの指示を受けたら、すぐに右旋回をしたらしいですから、あまり悪意は感じられないのですが・・・。
いずれにしてもミスなのですから、しっかり原因を追究して再発防止をしてほしいですね。
ただ、どれくらいのタイミングだったのかと言うと
通常右旋回する場所から、約4km過ぎてから管制官の指示で右旋回を開始しています。
この4kmの平均速度を360kmと仮定すると(実際はもう少し速いと思います)
(黄色い線の下側端が、いつもの右旋回開始地点・上側端が今回右旋回開始地点)
たった40秒です。
(実際はもう少し短い)
機長 :今日もエンジン快調、順調に上昇だね~。東京の夜景きれいだな~
副操縦士:機長、なんかおかしくないっすか?
機長 :うん?なんだっけ?あれ、なんか違うぞ。
管制官 :早く右に曲がれよ!
機長 :おーっ、やべ。そうだ右に曲がらなきゃ・・・。
そんなくらいで40秒なんてすぐに過ぎてしまいます。
もちろんこの会話はフィクションで、もっと緊張して操縦されていると思います。
でも、ほんの少しの手順のミスや、やり取りのミスに対して40秒はあまりにも短く、
しかしとても大切な40秒なんですね。
高速で飛行する飛行機を操るパイロットのみなさん。
監視・制御する航空管制官のみなさん。
それを支える様々なみなさん。
緊張の連続のお仕事、本当に尊敬しておりますし、おつかれさまです。
いつも飛行機に乗せていただいております。
ありがとうございます。
我々だって、気を付けなければいけませんよね。
自動車で飛行機の1/10の時速36kmでゆっくり走行したとしても、40秒あれば400m進むんです。
我々も事故の無いように、毎日気を付けて運転したいですね。