不動産投資の甘い罠という意味深なタイトルですが、
携帯でネットをしていたら、あるポータルサイトに
「100万円の投資で資産2億円！」
という広告が。
なかを覗いてみると、サラリーマンの厚生年金だけでは
最低限の生活は出来ても、ゆとりある老後無理。
不動産投資をして、バラ色の老後生活を実現してみませんか。
まあそんなストーリーの広告でした。
たしかに、バラ色の老後を手にする方もお見えかもしれないので
決して否定する訳でも、ケチを付けるわけではありませんが
すこし感じたことをお話しますね。
投資の内訳ですが、超おおまかに書きますと
まず1棟目を
東京都内に、
自己資金100万円で
1億2,000円の土地と1棟物（10室）の物件を購入します。
すると、家賃収入は月59万円程度 年700万円程度
ローン返済や税金など引いても、年40万円程度の純利益が出ます。
すぐに2棟目を
東京都内に、自己資金600万円で
1億円の1棟物（8室）の物件を購入します。
すると、家賃収入は月50万円程度 年600万円程度
ローン返済や税金など引いて、年65万円程度の純利益が出ます。
よって、
2棟（18室）のオーナーになり
2億円超えの資産家に！
初期投資100万円で
家賃収入 月100万円（2棟）、年1,200万円以上
ローンや諸経費を支払っても 純利益は年100万円以上
というストーリーです。
いろいろな保証やサービスが付帯しているし、
入居率も98%以上らしいので、
新築で契約して、建物の修繕費とかが問題にならない期間（10年くらいかな）
で美味しい汁を吸って、すぐに売りに出す戦略なら
結構いけるかもと思いましたが、家賃収入で老後がバラ色はどうかな？
とは思いますね。
リスクとして
・1年を通して、各棟で1室でも空室が続くと赤字になる可能性があります。
・銀行ローンの金利が1%台で借りられるとの謳い文句ですが、
たぶん変動金利35年ローンなので、この先1%でも金利が上昇したら、こちらも赤字になる可能性があります。
（今日、米FRBに続き欧ECBも量的緩和縮小のニュースが。日銀は遅れていますがいつかは・・・）
・退去者があると、部屋の清掃費用が発生します。
敷金礼金がすべて大家の物という時代は終わっています。
また、新しく客付けをすると不動産会社に、家賃の2か月とか3か月の手数料が発生します。
・リスクの記事でお話しましたが、災害・火災・入居者トラブルなどなどは発生する可能性があります。
やはり自己資本もないのに、2億円の借金は、私なら絶対にしませんし、お勧めしない投資案件ですね。
不動産投資の意思決定の記事でお話しましたが、最悪この不動産に失敗しても自己資金で返済可能な範囲で止めておくべきだと思います。
すべてを失っても、ゼロスタートできる範囲にしておきましょう。
何かあったとき、億円単位のマイナススタートは一般サラリーマンには絶望しかありません。
もちろん本件のスキームは成り立つ物だし、うまくやる方もお見えだと思いますが、
ごくごく普通の不動産投資に素人のサラリーマンには、私ならお勧めしませんということで、やるかやらないかは、それぞれの方のご判断にお任せしますね。
